小さな地方都市の店でバイトをしてたときの話 3

学生の頃

田舎の商店街にある個人経営の喫茶店でバイトをしていた


俺はその時22歳くらいだったろうか


セックスした女性の数は2人だった


だが、そのときの俺は、今の腐った俺とは違った。


ピュアだった


付き合った2人の女性に対して

純粋な気持ちだけで付き合っていた


つまり、付き合うことを決めるときに

セックスすることは考えていなかった。性格の相性だけで付き合うことができた。



今はそうではない。

相手に対して、性的魅力を感じないと。

セックスしたいとか、性的な欲望を満たすことができる容姿を持つ女性でないと、付き合うことができなくなってしまった。


それは言葉にするとゲスなかんじだが

真理だろう。



当時の二十歳そこそこのピュア過ぎた俺は

相手が好きだったにも関わらず

性的な魅力を強く感じることができないために

相手と別れ、つらい思いをして

はじめてそのことに気が付いた




ここまでがイントロダクションで

本編が以下となる




バイト先の喫茶店では

なんか知らないが奥の方に

いつも予約席って札が置いてあるテーブルがあった


そのテーブルがいつ使われるかというと

たまにくる、なんか妙な雰囲気のスーツを着た男たちが来たときだ


もちろん予約なんかしていない。


よくわからないし興味も無かったが

その男たちは、その商店街の顔役ヤクザかなんかなのかもしれないな、と俺は思っていた


ある日の午後。

その予約席にその男たちの1人が座っていた。

アリとキリギリスってお笑い芸人の、古畑任三郎に出ていたほうに顔が似ている。


そいつをもっと悪い顔にして

スーツも悪趣味にしたようなかんじだ


その日はやたら忙しかった

ウェイターは俺だけ。

てんやわんやだ


ふっと

そいつと目が合った。


なぜか俺の方を見ていた。


時間が一瞬止まるような感覚がした。

見透かすような目でニヤリと笑った。


俺は

見透かされた、

と思い愕然とした。


なんでこいつは知っているんだ⁈






俺はその日の前日、

ピンサロという成人男性向けのサービス店に行ってきていた。


はじめての体験だった。ピンサロが。




俺にとってピンサロは衝撃的な体験だった。



なぜなら

はじめてのピンサロで出てきた女の子が

俺の超好みの子だったからだ


スレンダーで華奢で背が高めなかんじ。顔はきれいめ



その女の子の体を好き勝手できる。ある程度。


たかだか7000円くらいで。


俺は前述したように

その頃はピュアだった。


こんな、自分のタイプの女の子が

たかだか7000円くらいで

相手してもらえることが

衝撃的だった。ショッキングだった



なんだよ。

こんな簡単にできるのか。


本当にタイプの女性という存在は

そのときの俺にとって

ある意味神格化された存在だった。


俺なんかじゃとても今は…

だがいつか必ず…

努力していつか必ず…


そんな女神のような女性が

たかだか7000円くらいで好きにできる。ある程度。


そんなことだったら、

ピンサロいきまくればいいじゃん!


彼女なんかがんばって作らなくても、ピンサロいきまくればいいじゃん!


くだらねー!人生くだらねー!

努力とかくだらねー!


とか思った。


そんで、次の日のバイトのときも

その謎のやさぐれ感を引きずっていた。


だから

あいつに。アリとキリギリスの古畑任三郎に出てきたほうに似ている奴に


見透かされた気持ちになったのだろう。


だがあいつは

確かに俺を

見透かしていた