ご飯は楽しく食べましょう
3. ムカつく話
ずばり、仕事の文句。特に食事中に仕事の不満をぶちまけるのは、外国人にとって不思議でならないよう。楽しむべき時間である食事中に、あえて不愉快な話題を話すのか、理解不能なようです。
「あいつムカつく」「あいつらどーしようもない」「あームカつく」。気分がサガる、料理もまずくなる、会話に生産性がない。話し相手がどんどん遠ざかる話題が、デキないオトコの大好物です。
興味・関心の低さ、情報のひねりのなさ、生産性の低さ。ジャパニーズ・デキないオトコは、話す話題で自分の実力を世界に露呈しちゃっていました。
■デキるひとの話題は、この3つだ!
一方、デキるひとと会話すると、「うまい」「~らしい」「むかつく」の3大デキない話題は1つも出てきません。デキるひとの話題にも、3つの特徴があるようです。
(1)体験談
外資系で働いていると、同僚の外国人からよく聞かれるのが“How was your weekend? ”。「何が美味しかった」ではなく、どんな体験をしたかを聞かれて、体験談が苦手な日本人は鍛えられます。「おもろい体験」を話題にできるかは、会話のグローバルスタンダードのようです。
(2)ひもづけ
ある情報をただ「らしいよ」と伝えるだけじゃなく、他のニュースや実体験とひもづけて、意味のある話題を語る。あるデキる先輩が「最近、娘が部屋で誰かとずっとしゃべってるから、長電話かな? と思ってノックしたら、Siriに話しかけてたよ。もう音声入力の時代だって実感しちゃった」と切り出したときは、ITの今後についてみんなが実体験をもとに語り出し、議論がかなり盛り上がりました。
ときにはハッタリも厭わず
(3)ウソ
気まずい雰囲気のときは、ウソでも盛り上がる話題を話す。プロジェクトチーム全員が週末勤務となった日のランチに、デキるリーダーがある話題を切り出しました。「とある学会で発表された研究結果なんだけど、週末一緒に働いたことのあるチームって、プロジェクトの成功率が高まるんだって」。その瞬間、チームの空気がふわっと和みました。後で彼女に「よく知ってましたね」と話したら、小声で「ウソよ」の一言。デキるひとは、状況に応じてハッタリもかまします。
おもろい実体験を語り、情報をひもづけて、時にはウソも厭(いと)わない。デキるひとの話題は、会話を盛り上げ、チームを盛り上げる工夫が施されている。芸人の「ネタ」に近い、その人ならではの「情報」でした。
最後にもう1つ。外国人が理解できない、ジャパニーズ・デキないオトコのビジネストークの話題をご紹介します。それは、新しいイノベーションやビジネスモデルというわくわくする話題のとき。デキないオトコとデキるひとは話題の切り口が180度違うそうです。
・デキないオトコ:売り上げと株価。
・デキるひと:それで世の中がどう変わるか。
デキないオトコの話題は数字にこだわる。会話もビジネスもしぼんじゃいそうです。デキるひとの話題は新ビジネスの意義から始まる。会話が盛り上がり、周りの賛同や協力を得やすくなります。
■違いは、情報提供に対する考え方
話題を比べてみると、「デキる・デキない」を分けるポイントは「情報の提供」に対する考え方にある気がします。デキないオトコは単に情報を語るだけなので、”So what?”で終わり。デキるひとは単なる情報に自分なりの意味づけ、味つけをして提供するから、会話が弾み、チームが活性化する。ある大物経営学者が残した「情報」についての一言が思い出されます。
今日のランチは、デキないオトコと別行動してみてはどうでしょう?
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